五感に触れる、わたしの旅

観光のカタチとこれからー株式会社KYOTOyuiー

今回取材させていただいたのは株式会社KYOTOyuiを運営される近藤 芳彦さん。

まず知っていただきたいのは近藤さんがどんな方なのか、ということだ。わかりやすい言葉で言えば、観光業に携わる方、ではあるが、より具体的に言えば観光の企画開発と販売のサポートをしているという。

事業としては現在、KYOTOyuiという名称で観光✖️産業、地域、文化を結びつけるため京都の観光コンテンツを開発。もう一つ、今回の話の中で出てくるのは「トラベル京都」という事業名。こちらは京都旅行のサポート全般を行っている。

この事前情報だけを持って、ぜひ知って欲しい。近藤さんが京都を舞台に拡げてきた観光の形。これは観光業に関心がある人だけでなく、さまざまな分野につながる新しいお話。

株式会社KYOTOyui 代表近藤 芳彦さん

観光とは?使命とは?

「まずは少し私の家系の話をさせてください。」

KYOTOyuiの事業に関する質問はその一言で始まった。

「私の曾祖父は彫刻家、高村光雲さんの孫弟子にあたるかたで石本暁海と言います。八坂神社の狛犬や円教寺の如意輪観音坐像他数々の作品を残しています。近藤家のおじいさまに関しては島根県で住職をされていました。父親は表具師で、表具屋を。母方の家系は宇治田原、煎茶発祥の地の農家さんでした。」

いわゆる一次産業の家系で生まれ、育ったという。その伝統を守るべく、今の事業、活動に繋がっているそうだ。

「観光は「国の光を観る」という意味があります。京都は伝統産業と言われるものはたくさんありますが、時代の流れによって担い手、後継者がいなくなるという状況で、産業が衰退気味になるという現状で、私はそう言ったものを守りたい、という使命を持って事業をしています。」

これがKYOTOyuiの事業、その意味ということだ。

京都というと観光地として国内外から人気を集める場所。正直、観光業においては苦労せずとも良さが伝わるそんな場所、というイメージだった。

しかし、話を聞く中で、京都だからこそ伝えるべきこと、伝え漏れていること、伝える人がいないということに気付かされた。これは全国各地に言えることかもしれないが実際に事業として行う近藤さんの話は腑に落ちる部分が多い。

「府外へ連れていく」から「府内を案内する」へ

「今は窓口的な形になっている 『トラベル京都』。これは平成18年に立ち上げました。元々は旅行の専門学校を出て3年ほど旅行会社に勤めていましたが、しばらく旅行や観光といったところからはかけ離れた仕事をしていました。ですが、同級生がバス会社を始め、経験もあったことから「一緒にやろう」ということでトラベル京都を立ち上げたんです。」

したがって、初めから観光業で京都のさまざまな良さを伝えよう!として始まったわけではないそうだ。旅行の専門学校を出て旅行会社にもいながら、しばらくのブランクを経て辿り着いた。

そして、始める当時はバス会社として、京都のお客様を府外に連れて行く、ということを事業をしようとしていたそうだが当時の燃料高騰なども背景にありつつ、

「京都で短距離走っている方が利益率があがる」

という側面もあり、府内を観光案内するという形でスタートしたという。ランドオペレーターとして、「京都にきたらトラベル京都に相談すれば…」ということを目指して活動がスタートした。

「平成18年って正直、インバウンドの「イ」の字も言われるような時期ではなかったんです。当時で言うと「これまでの旅行業」とは反対のことでしたが、コツコツと続ける中で多くの人から頼っていただけるようになりました。」

この後の話でも出てくるが、近藤さんは常に一歩、二歩先を見据えて進んでいるように感じられる。「先取り」という言葉では済まされないほど市場や現場を冷静に見て判断されているのだろう。

来る日に備えたコロナ禍

そんな近藤さんはコロナ禍すらもポジティブな期間だったと話していた。

「コロナ禍ですね…。正直な話、旅行業というものを改めて考えられる時間ができたなというのが1つあります」

大前提として「苦しかった」「大変だった」という声が聞かれる業種だが、前向きな話に少し驚いた。しかし、この期間に京都の観光業、コンテンツ作りを考え直せる時間になったという。

「もう一つはコロナ禍直前の2019年に、旅行のDX化をはじめ出していたんです。国内のお客様が動きだした時期には売り上げもしっかり出すことができていました。」

コロナ禍前の一手をうまくコロナ渦中に整理し、準備を整え、来る日へ仕組みづくりを進めていたそうだ。

国内の人はまず国内で旅行を始める。その候補地にはやはり京都は上がりやすく、国内の人が動き出せば売り上げる仕組みづくりが行われていたということだ。

「人がやっていないことにアンテナをはるようにしています。そして新しいことへもどんどんトライ。観光コンテンツを企画・開発していく上で心掛けていることですね。」

聞けば聞くほど知りたくなる、近藤さんの「観光」。

誰に光をあて、どのように見せていくのだろうか。

→続く
(5月29日17時にアップされます)

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INFORMATION

KYOTOyui HP

株式会社KYOTOyuiは、代表近藤が観光業として長年京都で培った経験や人脈を活かし、観光と地域・観光と産業・観光と文化を結ぶ京都の地域コーディネーター、地場産業コーディネーターとして、京都と観光客を結ぶ仕事をしております。

HP: https://kyotoyui.jimdofree.com/

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