五感に触れる、わたしの旅

『古淡-KOTAN-』淡路島|「よみがえり」を体現する宿の特別な魅力(前編)

一日一組、日常と切り離された空間、淡路島の風土を感じられる宿がある。

淡路島にある「古淡(こたん)」という宿だ。この宿は「淡路島と国生み神話」をコンセプトにしている。

今回は、「古淡」のオーナーである原田さんより宿の魅力についてお話を伺った。

「淡路島と国生み神話」をコンセプトに

「古淡」という宿は、オーナーである原田さんの祖父母が大切にしてきた邸宅をリノベーションして生まれた。リノベーション前は空き家になっており、「このままだと朽ち果ててしまう…」と強い危機感を覚えたのだとか。そして原田さんは続ける。

「この状況をきっかけに貸別荘として『よみがえり』をはかることにしました。」

外観

もちろんただの改修工事ではない。淡路島の風土を感じてもらうことをコンセプトに「和モダン」などのセンスを取り入れ、古淡という宿として新しい命が吹き込まれた。

ここでコンセプトにも含まれている「国生み神話」と、宿のテーマでもある「よみがえり」という言葉に触れておきたい。

そもそも国生み神話とは、『古事記』に描かれた天地創造の話で日本神話の一つ。古淡のある淡路島はその神話の中で最初に誕生する島とされている。

そして、「よみがえり」に関して原田さんは次のように話す。

「伊奘諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉の国から帰ってきて天照大神など三貴子を生んだという一説があります。『黄泉の国から帰る』という話が『甦り』の語源になっているという説があり、その部分からインスピレーションを受けて「よみがえり」をコンセプトの一部に加えました。」

〈淡路島と国生み神話〉そして「よみがえり」。コンセプトやテーマが古淡のリノベーションに取り入れられ、ここにしかない空気を新しく生み出している。

参考:神社本庁・国生み

淡路島にて四季を感じる。

古淡に滞在すると風土や季節、あらゆる事柄を感じられる。

例えば、次のような工夫を私たちは教えていただいた。

「淡路島はお香や瓦が有名なので、お部屋でお香を楽しむことができます。また、キッチンの裏にある壁。この壁は瓦で造ったりと、部屋の中でも風土を感じられる工夫を凝らしました。」

風土を感じられるカウンターキッチン

内装・外装リノベーションされた空間だが、国生み神話をテーマにしたアート淡路島の調度品が「古淡」を彩る。

テレビは置かれておらず、日常から離れ、特別な時間を楽しむにはぴったりの場所だ。

特に3つある寝室にはそれぞれコンセプトがあり、淡路島の歴史などに思いを馳せつつ、四季折々の良さを感じられる。

〈3つの寝室はコンセプトごとに名前がつけられている〉
月道:東側に窓があり海が見下ろせて、満月の日は光で海に道ができる。
灯島:淡路島の港町や市街地の光が綺麗にみえる。
白淡:壁に竹を使い、白くて淡い空間を作っている。

  • 白淡

少しだけ特徴をまとめたが、ぜひ古淡のHPにて詳細に目を通して足を運んでいただきたい。それくらいにこだわりが詰まった宿である。

「寝室ももちろんですが、お部屋のリビングの窓からは綺麗な景色が広がっていますよ。海の風が気持ちよく感じられますし、宿を通して季節ごとにさまざまな景色が観られます。」

と、原田さんからお話しいただいた。

古淡に足を運ぶたび「違った景色」を観て、季節そのものを味わうことができる。

何度でも足を運びたくなる、季節と風土が感じられる宿なのだ。

ー前編 ENDー

INFORMATION

古淡-KOTAN-

詳細はHP から

住所: 〒656-2224 兵庫県淡路市大谷1054

HP: https://kotan-awaji.com/

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