五感に触れる、わたしの旅

カルチャーと暮らし方を知る旅へ 後編|SPICE MOTEL OKINAWA

前編ではSPICE MOTEL OKINAWAの生い立ちと「中部らしさ」というカルチャーの部分をお話いただいた。今回はSPICE MOTEL OKINAWAの魅力をさらに深堀していく。

友人同士の旅行にもカジュアルに

早速だが、宿泊施設に併設されているカフェバーのバックに目を向けて欲しい。目を引くのもそうだが、思わず「自動車屋さんだったんですか?」と聞きたくなるようなものがある。

カフェバーに残されたネオンサインの一部

「元々のホテルの屋上にあったネオンサインの一部です。高速道路から見えるようにネオンサインがついていて、そのまま使わせていただきました。会社として、既存のものを使ったり継承することを大切にしています。」

リノベーションするだけでなく、既存のものをどのように落とし込むか。

残されたものから当時の雰囲気を感じ取ることができるのも、行く側からすると楽しみの1つかもしれない。

デザイン面でいえば、室内は単におしゃれというわけではなく、レトロな部分や思わず写真におさめたくなる造りがなされている。ただ、想像以上に写真を撮ってもらえていること対して、森岡さんは少しだけ驚いたと話す。

「建築会社なのでデザインは大事にしていますが…、自分たちが想像していなかった場所が写真スポットになっていたりしていて面白いです(笑)。新たな発見というか…。お客様がSNSでアップしてくださる写真を見て新鮮な気持ちになりますね。

自分だけのフォトスポットを見つけに行くのもいいだろうし、SPICE MOTEL OKINAWAだから楽しめる景色を心に記憶するのもいい。ちなみに森岡さんのおすすめの場所は〈テラスから見える夕日〉なんだとか。まわりに建物がなく、少し遠いが海も見えて海に夕日が沈んでいく景色が楽しめる。

「アートアンドクラフトってどんな会社?」

ここまで話を聞いてみると、宿泊施設やその取り組みはもちろんだが、一体どんな会社がなぜ運営してるのだろう…という1つの疑問にぶつかる。

「アートアンドクラフトってどんな会社?」という少し大きな範囲の質問に、森岡さんからお答えいただいた。

「会社としてはとにかく面白いことが好きですね。自分たちが欲しいもの、あったらいいなと思うものを作る、やってみる。スパイスモーテルも、車社会という沖縄で『モーテルを作ったらよくない?』というところから始まりしました。」

自分たちが面白いと感じる感性と、それを活かす技術や想いが1つの宿づくりにも活かされていることは間違いない。

そしてもちろん、会社の根底にはリノベーションへの想いがある。当然のことながら、会社としては人々の家(住宅)のリノベーションをお手伝いすることが多い。どのような心がけがあるのだろうか。

「せっかくなら長く住んでもらいたいと考えています。その人にとっての気持ちいいってどういうものか、間取りや素材で気持ちよさを大事にしていますね。新築のように密閉性や壁の綺麗さは既存の建物にはないですが、壁のデコボコも味があって良いというような…。そこを楽しんでもらえたら嬉しいですね。

そんなリノベーションの良さに共感してもらえたり、喜んでもらえたら嬉しいと森岡さんは続けた。

「経年劣化していくのではなく経年変化」「味わいを愛でれるような素材の提案」など。会社全体として大事にしている軸だそうだ。

SPICE MOTEL OKINAWAは何かの入り口になる

私たち自身、お話を伺ってみて気づいたことだが、SPICE MOTEL OKINAWAは、住まいへの意識や暮らす場所、暮らし方を考える小さな入り口になるのかもしれないと感じた。

『いつか観たロードムービーの世界へ』というキャッチコピーをたどって楽しむことはもちろんできるが、「中部エリア」というカルチャーとの出会い暮らすように旅ができるというスタンス。そして建物自体にある物語。リノベーション、住まいへの意識、暮らし方…。

だからこそ一泊じゃ物足りない。

「沖縄に立ち寄ったら」「連泊して色々沖縄を回ろうかな」そんな風に思わされる宿泊施設。

これからまた何年かを経て、人々の使い方も変化していくような思い出に残る宿だ。

-後編 END-

〈取材ご協力〉

・株式会社アートアンドクラフト(SPICE MOTEL OKINAWA運営元)
・SPICE MOTEL OKINAWA 
・写真提供:SPICE MOTEL OKINAWA

INFORMATION

SPICE MOTEL OKINAWA|スパイスモーテルオキナワ

建築デザインオフィスがリノベーションし、自ら運営も手がけるデザインホテル。 オキナワの海も街も買い物も! そのすべてを手にいれたい人に絶好のロケーションです。

住所: 〒901-2311 沖縄県中頭郡北中城村喜舎場1066

TEL: Phone +81 98 923 1066

HP: https://spicemotel.com/

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