キッチンから見えるもの選びの視点
es-pom webマガジン編集部です。陽|haruさんから暮らしにまつわる読み物が到着。
今回はキッチン周りから暮らしにまつわるお話へ。ものの選び方は人それぞれですが、「欲しい」が優先してしまうと、なかなか「自分にあった」「生活に馴染む」といった視点のもの選びはできませんよね。
少しだけ一歩下がって、客観的に自分の暮らし、生活を考えたくなる読み物です。
*陽|haruさんの過去の取材コラム▷▷▷私にとっての心地よい暮らし |〈陽|haru〉
生活が垣間見える場所
生活感は「らしさ」の原点だと思う。
私はInstagramやPinterestなどの画像から暮らしのアイデアを得ることが多い。そして、少し生活感のあるほうが惹かれます。整っているほうが気持ちがよいけれど、その人らしさが出るのはちょっとした乱れの中だったりすることに気づきました。
特にキッチンはその人・家族の生活が垣間見える場所だと思っています。
忙しい家庭だったら耐熱のお皿や利便性の高いものが並ぶかもしれないし、丁寧に食事を用意している家庭だったら使い込まれたお気に入りの料理道具が揃っているかもしれない。
食は誰しも欠かせないものでありながら、その重要度や意識の向け方は十人十色。だからそれにまつわるものはおもしろい。
私は持ち物にひとつひとつ選んだ理由があります。ただ、キッチンに関してはインテリアとはまた違った視点を持っていて…。
せっかくなので私が使っているものを例に、生活に馴染むもの選びについてご紹介します。
無印良品 キッチンツール
言わずと知れたシリコーン調理スプーンを始め、安価で使いやすいものが揃っていて、我が家でも使っているものが多いです。
実のところ、一人暮らしを始めたときに購入してから特に買い替える理由がなかったというのが本音。「買い替える理由がない」というのはマイナス点がないということでもあります。
大型ショッピングモールや駅ナカにショップがあって、引っ越ししたての慣れない土地でも近くの店舗を探しやすいというのもおすすめポイント。とりあえず最低限のキッチン用品を揃えたいという人には迷わず無印良品の製品がおすすめです。
RIVER RIGHT 極JAPAN鉄フライパン
ちょっと料理が習慣化されてきて、フライパンにこだわりをもちたいなと思う人へおすすめしたい1点。テフロン加工のフライパンは、1年に1つは使えなくなってしまっていた私だけど、鉄フライパンに変えてからは解消されました。
一般的な鉄フライパンは重く錆びやすいので、そこまで料理にはこだわりもなく面倒くさがりな私には縁のないものだと思っていて。
でも、こちらの製品は鉄フライパンの熱伝導に優れていて美味しく調理できる特性をそのままに、軽量で錆びにくい。焦げ付いても金属タワシで落とせる。
初期投資費用がかかって扱いに慣れるまでは少し時間がかかるけど、長期的に見るとコストパフォーマンスがよかったです。
stasher、Zip Top シリコンバッグ
ちょっとした食品の管理にぴったりなジッパー袋だけど、使い捨てのプラスチックバックは環境負荷が高い。そこで見つけたのがシリコーンバッグです。
今はバラエティ雑貨を扱うお店でも取り扱いが増えてきていますが、私はこのふたつのメーカーが好きです。どちらのメーカーの製品も耐熱・耐冷温度に優れ、湯煎や冷凍もOK。
食品に触れるものだからこそ気になる素材についても100%シリコン、BPAフリーなど、有害物質を含まないというのがわかっていることも魅力的。
可能な限り環境負荷が低いものを選ぶことも大切にしていることの一つなので、「本当に使い捨てでないといけないのか?」という視点も持つようにしています。
柳宗理 調理器具
調理器具により機能性、デザイン性を求め始めたときに出会ったのが柳宗理の製品。料理をする上で道具に愛着が持てると何倍も充実度が高まると思っています。
もちろん安価で揃えられること、それらがある程度使いやすいことだけでも私の中で合格点ですが、より生活の豊かさを感じる製品を選ぶとしたらデザイン性の高いものを選びたい。
日本人の手に馴染むような設計、無駄のないシンプルなデザイン、機能性の高さを兼ね備え、これほど多くの調理器具が揃うメーカーはあまり知りません。「使いやすい」「お手入れしやすい」と、ストレスのない製品は使っていて心地よく、暮らしをよりアップグレードしてくれます。
終わりに
私は衣食住の中でも食については他の2つに比べ、優先度は低いです。仕事とプライベートの間であたふたしているとゆっくり料理の時間が取れないことも多く、それ故「扱いやすさ」ということを重要視しています。
そして、さっと手が届く範囲によく使う調理器具を並べています。それはディスプレイ目的ではなく効率よく料理ができるようにするためだし、私の生活に由来しています。
インテリアと比較すると、キッチンは生活に馴染むのかという視点が色濃く反映されています。
もしかするとキッチンは家の中でいちばん私の「らしさ」が詰まっている場所かもしれない。