「会いにいくフローリスト」って一体なんだ??| Cnot flower. (caco)ep.1
「お花ってなんだか買いづらい…」
「種類がわからないから…」
「特別な物なのでは?」
お花屋さんは各地に多く存在するが、一方で馴染みのない人にとっては入りづらい業態。
そして、いつの間にか遠ざけ、遠ざかり、自分の関心のないものになっている…そんな方も多いだろう。だが、そんな悩みを解決し、新しい暮らしと出会うきっかけを作ってくれるフローリストと私たちは出会った。
Cnot flower.(ノットフラワー) | 会いにいくフローリスト
cacoさん(Cnot flower.)は、「会いにいくフローリスト」として活動されている。私たちも『一体どういうこと?』と疑問を持った。しかし、そこに確かなパッションと彼女にしかない世界が広がっていた。
「私自身『会いにいくフローリスト』として活動しています。何年かお花屋さんで修行をさせてもらい、2022年の7月から独立する形を取りました。」
1997年生まれ、千葉県出身の渡邊香子さん(以下cacoさん)。学生時代に、青山フラワーマーケットでアルバイトを始め、以降2つのお店で修行を積んできたという。
「実際に働かせていただき、お客様と触れ合う中で、お花屋さんにきてくれる人は花が好きだから、目的があるから、というものを感じました。
今後、お花の良さを広げていくためには待っているだけではなく、『会いにいく』というスタイルもありなんじゃないかな?(笑)という思いもあり、今の形をとっています。お花の良さ、楽しみ方とか…『会いにいく』中で興味を持っていただけるように伝えられたらいいな…と思って活動しています。」
現在、cnot flower.としての活動は基本的にポップアップを中心に、さまざまな場所へ足を運ぶ。場所によっては異業種との関わりも多いと話すcacoさん。だが、色々な業界の人との交わりがエネルギーになっているとも。
実際、このような形態で活動する、その発生源はどこにあるのだろうか?
「私が憧れているお店の1つとして、STAYFLOWERさん(代田橋)があります。『小屋』という名前も付くのですが、古民家をリノベーションしており『みんなが帰ってくる場所』『お花を通してコミュニケーションできる場所』そんな場所があってもいいんじゃないか、というコンセプトでできているそうです。」
*STAYFLOWER HP (東京・代田橋)
「STAYFLOWERの店主さんのお話を聞いたときに、お人柄はもちろん、パッションの部分で共感し、接客している姿などをみて、これを機にお花を好きになる人はいっぱいいるんだなって…率直に感じました。」
cacoさんは、お花を専門に学んできたわけではない。それでも小さい頃から生活の中にお花があり、そして大学時代「あ、お花が周りにある環境って当たり前じゃないんだ」と気付いたんだそう。
「学生時代にちょっとしたプレゼントとかにお花を渡していたんです。そしたらある時友人から
『お花をもらうのすごく嬉しい。それに気づかせてくれたのは香子だよ』
と言われました。この時に自分自身の存在、お花を通して人の心を豊かにできるというのは、とても幸せなことだなと感じました。それから、私の周りから広げられたらいいなと…少しずつお花を学ぶことへの関心が高まりました」
「私ならでは」の模索と現在地
専門に学ばないこと、お花に詳しい人が周りにいない環境。これはよくないことではなくて、「可能性」なのだとお話を聞く中で率直に感じた。
多くのお店、経験、人との会話…。それらを通して感じる、感じない、どう受け止めるかというのは人それぞれ。cacoさんの場合は、そういった環境(お花だけを専門的に学ぶような)にいなかったことが、現在の「私ならでは」という活動にもしかしたら、つながっているのかもしれない。
「お花屋さんは正直たくさんあります。どのお店もそれぞれも魅力的ですし、街に根ざしているお店もかっこいいと思います。ですが、違う形で「私ならではのやり方で」という部分を模索した中で、STAYFLOWERさんから感じたパッションの部分を真似ていきたい!という想いがあり、現在の形に行きつきました。
あとは若さを活かしたパワフルさ、新しいお花の見せ方とか…色々なことにワクワクしながらに動き回っていますし、これからもそうありたいなと思います(笑)」
「経験自体は長くはない」と謙遜しつつも、真剣に現場で学んできたからこそ丁寧な接客が喜ばれている。
「ある意味素人目線…というんですかね。お花の基本や知識がない方の気持ちもわかるので、お客様の知識度合いや関心に合わせてることを大切にしながら、提案したりしています。」
cacoさんの話の節々にエネルギーとお花への愛を感じた。しかし、お花屋さんで働く中で、「自分で」かつ「店舗を持たない」と言う形を思い描いたいのだろうか。
「自分でブランド、お店を持ちたい、というふわっとした想いは働き出した時からありました。その中で
「なんでお花が好きなの」
「なんでお花屋さんで働き始めたの?」
という質問があって、花がかわいい、綺麗というお花に対しての愛はもちろんあるんですが、そこに集まる人の会話、つながる人の思いに、私は特に愛を感じたんです。それこそ「お花のパワー」だなと思いました。」
彼女はそういった想いがあるからこそ、お花を売る時には「会話」大事にしているそうだ。なんとなく、お花屋さんに入っても会話がしづらいイメージあるが(行きつけでない限り)、そういったイメージをcacoさんは払拭してくれるのではないだろうか。
「自分の周りにお花好きがいなかったのは『お花の買い方がそもそもわからない…』というのもあってたんです。だからこそ、もっとラフな店員さんが身近にいてもいいのかなって。でもこれも私自身が様々な人と出会って、話す中で気づけたことです。だからこそ、より意識して会話や私自身がお花を楽しむことを大切にしていかないといけないと思っています。」
もちろん中にはお花に関心がある人もいるだろうが、入りづらい、スタッフさんに対して聞きづらいという、お花とつながるチャンスを逃してしまっている人もいるはず…。気になっている方はぜひ話しかけてほしい…cacoさんはとにかく明るく、わかりやすくお花を伝えてくれるから。
次回へつづく→「お花の見えない部分、見える部分」
INFORMATION
cnot flower. HP
お花を通して人と人、人とモノを結ぶ。 花の販売だけでなく、新たな出会いや日常生活の中にある発見のきっかけづくりを提案しています。 人と人、人とモノの結び目(Cnot)となれるよう、心を込めて活動中。
HP: https://cnot-flower.stores.jp/