
「旅の楽しみは?」と聞かれれば。〈小説と旅をする〉

es-pom webマガジンでは暮らしや旅のヒントになるお話を掲載しています。今回は企画:小説と旅をする について、HUNAさんから読み物をいただきました。お楽しみください。
ご飯以外の時間をどう過ごすか
「旅の楽しみは?」と聞かれれば、それはもう間違いなく、1ミリも迷うことなく「ご飯」ですよね。
そんな食中毒(意味違う)の私たちが、旅の計画を立てる時に必ずぶつかるのが「ご飯以外の時間をどう過ごすか」という問題ではないでしょうか。
観光地を歩き回るにはお腹がいっぱいすぎるし(食べ過ぎなきゃいいんだよな…)、お昼からお酒なんか飲んじゃったらもう午後はゆっくりしてたいし…。(飲まなきゃいいんだよな…)
そんな時、私は本を読みます。

一人旅であれば、合間に喫茶店で珈琲を飲みながら読むのもよし、ホテルに戻ってベッドでゴロゴロしながら読むもよし。
本は家から持っていくもよし、旅行先で買うもよし、です。(私は旅行先の古本屋に行くのが大好きです。)
旅行のたびに読み返している本
私には、旅行のたびに読み返して、表紙もページもくたくたの一冊があります。
明け方の若者たち/カツセマサヒコ
:カツセマサヒコさんのデビュー小説で2021年に映画化。大都会・東京に生きる若者に訪れた学生の人生最大の恋と、何者にもなれないまま大人になっていくことへの葛藤を描いた一冊。
この本を初めて読んだのは大学3年の旅行中で、その時から就職して社会人になった今に至るまで、旅行のたびに読み返しています。
「旅の楽しみは?」と聞かれたら、やっぱりご飯になるけれど旅行中の読書は一味違う気がする。
旅行は非日常だからなのか、本を読み終わった後もすぐに現実に引き戻されることなく、ぼーっと本の世界に浸ることができるから。
今ではご飯と同じくらい、旅行中の読書が好きです。
皆さまもぜひ。
HUNA