涙の石和温泉|くったりベア
涙の石和温泉
石に和で「いさわ」。今では読めるようになったものの、どこか不思議な感覚は残っている。
今回は静岡県の石和温泉について振り返ってみる。そもそも、私はこの地名を初めて見た時に正しく読むことができなかった。足を運んだのは大学4年生の確か3月のこと。
いわゆる卒業旅行を兼ねて、友達と2人で行くことになった。正直、何で石和温泉になったかは覚えていないが、神奈川県から行く私たちにとって、東海道線が停まる駅でアクセスが良かったことが理由の一つにあると思う。東海道線で時間をかけて行ったということも、今振り返れば懐かしい。
さて、なぜこの地が印象に残っているのかと言うと、旅館の部屋で恋愛絡みで泣いていた私を友達が慰めてくれたから。詳しい話の内容は忘れてしまったが、旅行中に好きな人と電話することになった私は電話を切った後に友達の前で泣いてしまった。
別に告白をして振られたとかそういうことではなかったが、気持ち的にいっぱいいっぱいになってしまったのだろう。
目の前で友達に泣かれたら、私ならびっくりしてしまう気がするが、友達はそんなそぶりも見せずに優しく慰めてくれた。当時は悲しくて泣いていたわけだが、今となってはそれもいい思い出。旅行先で泣くことなど普通はないが、だからこそ私の記憶に残っている。
食事とか旅館の部屋とか観光とか、そういったものも覚えてはいるのだが、一番印象に残っているのはやはり友達に慰めてもらったことなのだ。
まだまだ子供だったんだなと思うし、今それをいい思い出だと感じるならそれは私がその時よりも成長したという証。成長を感じるまち、石和温泉。
ちなみに石和温泉は僻地というわけでもなく、ほどよくのどかな場所でゆっくり過ごせる。行ったことがないという方はぜひ。
読み方は、石に和で「いさわ」である。
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