お花の見えない部分、見える部分| Cnot flower. (caco)ep.2
*Cnot flower.後編となります。(記事最後に素敵な特典のお知らせも!)
前編はこちらから→「会いにいくフローリスト」って一体なんだ??| Cnot flower. (caco)ep.1
今回cacoさんが出展されていた企画は日本橋高島屋S.C.本館8階催事場にて行われた『つづくつなぐマーケットvol.4』。〈【つづく】社会を目指して活動する若手クリエイターによるものづくりやアートワークを通した人と人【つなぐ】〉をテーマとした日本橋高島屋の新しいイベント。不定期開催となっておりますので、ご興味のある方は下記インスタグラムからチェック!さまざまなクリエイターさんの情報も発信しています。
お花の見えない部分、見える部分
cacoさんは「会いに行くフローリスト」。基本的にはひとりで仕入れ、展示先への搬入、などを行なっている。
「東京には市場が2つあって、その一方で私は仕入れさせてもらっています。今後はより新鮮なものを、と言う意味でも市場を挟まずに、と言うのも考えています。」
〈切り花がお客様の手に届くまでの流れとは〉
生産者が大切に育てた切り花は一般的に「卸売市場」に直接、もしくは集出荷団体・集出荷業者のもとに集められたのち、「卸売市場」に到着。その後、小売店などが買い付け、消費者のもとに届く。全国には8万1千戸の販売農家が存在し、全国から季節によって様々花が集まる。(参考:東京都中央卸売市場・花きの流通のしくみ)
ここまで話を聞く中で、cacoさん自身が楽しみ、お花を愛し、お花の良さをキラキラと伝えていっているように感じる。
実際、日々の活動は楽しくできていると言うが、一人でお花を仕入れ、それを運び、丁寧に管理し、お客様に伝えていく…これは並大抵の労力ではない。もちろんcacoさんに限らず、日々お店に立ってお花を販売すると言うのは大変なことだ。
「お花は見た目は綺麗ですし、ラクそう、と感じている方も、もしかしたら…いらっしゃるかもしれません。ただ、水換えはもちろん、一般的なお花屋さんと同様に苦労はあります。一方でネガティブな部分だけでなく、それはどの仕事にも言えることだと思いますので、よりお花の良さ、お花屋さんになりたいと感じてくれるかたを増やせるように頑張っています。」
「あとは、私の場合、一人で搬入・撤収するなどするので花瓶を持ち運ぶ時とかは大変ですね(笑)」
見た目とは裏腹に体力勝負。しかし、そういった労力以上に彼女の中で気にしている部分もあるという。
「『会いに行く』と言うコンセプトを持っている以上、こういった労力は仕方がないと思います。ですが、一人で行っているのでフィードバックというのが無いので、そこは活動を始めてみて難しいところだなって…」
この日、インタビュー中も一般の方に向けた対応は並行して行われていたが、お花やグッズを見る方にcacoさんは丁寧に笑顔で接していた。そのお客様は一度離れたものの、もう一度来店し喜んで購入して帰っていった。出展初日という落ち着かなさ、緊張感もあったcacoさんの表情がやわらいだ瞬間だった。
「現在の活動において、私自身が一番お花を楽しむということは大切にしています…。というより、私が一番楽しんじゃっている部分はあるんですが笑」
「お花は自分の生活が鏡写しになる」
cacoさんの活動の中にはお花屋さんにも興味を持ってもらいたい、そして働きたいという人を一人でも増やしたいという思いがあるそう。だからこそ身体全体で、楽しさを表現し、伝えているのだと思う。そんなポジティブで誰かに元気を与えてくれるcacoさんからお花に関するアドバイスをもらった。
「たまにお花を購入されるようなかたなら『友人や店員さんに選んでもらう』というのも楽しいかもしれません。普段とは違う感性、趣向に触れることでまた新しいお花との出会い、気付きが生まれると思います。」
そして、まだお花と出会っていない方にはまずお花屋さんに気軽に入って欲しいと続けた。やはり日常から一歩その先にまず踏み込んでみることが大切。店員さんと話して何かを決められたらもちろんがいいが、入店して一輪買ってみる…暮らしをちょっと楽しくしてくれるコツは、小さな勇気から始まるのかもしれない。
「お花は同じ種類で同じものを買っても、色や花びらの形とか違っていて…。だから飽きない部分はあるなと思います。そして、一番身近に命を感じられるものだと思います。」
お花を楽しむ一方で、さまざまな捉え方、考え方が生まれてくる。話を聞く中でお花は日常生活とリンクする部分を感じさせられた。cacoさんの口から「お花は自分の生活が鏡写しになる」といった言葉を聞いた時ははっとした。
「時間や心に余裕がある時は、水換えとかお花を愛でる時間も作れたりするんですけど、そうでない時はお水換えができなかったり、枯らしていることに気づけなかったり…とか。お花の調子を考えられると自分もより大事にできるんじゃないかなって。」
もちろんこれは考え方の1つかもしれないが、お花を購入して活ける人にとっては共感できる部分もあるだろう。これからお花との時間を日常に加えたいと感じる人は、ぜひそう言った部分も気にして欲しい。
「『お花に正解はない。』常々そう思います。いろんな方とお話をする中で、結局大切なのは、お花を愛して、お花を楽しむことなのかなと。もっとラフに、自分なりの楽しみかたとかを見つけられたら…。お花を通してのコミュニケーションも見つけられたら、日々の暮らしがちょっと明るくなるんじゃないかなって思います。」
「人と人、人とモノの結び目」の先へ
cacoさんの今後のビジョンを最後に伺った。
「今まで話していたこととガラッと変わるかもしれないですが、人が呼べる場所も欲しいなと笑今は週末メインで出展、私が会えるタイミングでしか、ここに行けばcacoに会えるという、アトリエ中心で時々オープンできる花屋ができれば良いなとおもいます。」
そして、今回取材させていただいた催事に合わせて製作していたのが「フラワーバック」だった。聞き慣れない言葉に一瞬ためらったが、見てみると利便性も高く、思い切ったデザインが印象に残った。
「お花を購入してそのまま持って帰られるもの…として、今回フラワーバックを製作しました!持って帰り方、飾り方がわからないという方もいるので、持って帰られてそのまま飾れるものになっています。持って帰るときに恥ずかしいという意見もあったので、もう思い切って。(笑)」
cacoさんはそう笑って見せたが、7色展開された紐とバックの形状によって今までにないお花の持って帰り方、何よりファッションとしても捉えられる要素があった。肩かけ、手持ちでもいいので自由度も高い。
cacoさんらしく、「お花の購入に対する障壁」をなくし、柔らかく、そして明るくなるようなアイテムだった。これからも新しいグッズが出てくるのが待ち遠しいばかり。
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INFORMATION
cnot flower. HP
お花を通して人と人、人とモノを結ぶ。 花の販売だけでなく、新たな出会いや日常生活の中にある発見のきっかけづくりを提案しています。 人と人、人とモノの結び目(Cnot)となれるよう、心を込めて活動中。