「食のプランナー」が目指す「元気」につながるレシピ|まるやまちさと
今回のタシナミは…
まるやまちさと 〈食のプランナー〉
鹿児島県沖永良部島生まれ/鹿児島市で育つ。飲食店での料理人修行を経て、現在は食のブランディングプロダクションTETOTETO Inc.のスタッフ、兼フリーランスの食のプランナーとして活動する。レシピ開発とスタイリング*、 食品の商品開発が主な活動の3つの軸。
* 食品の宣材写真やPR動画を撮る際の、料理の盛り付けや皿のセレクト、テーブル全体のコーディネイトなど
美味しい作物へのプラスアルファを目指して
大学時代は農学部で過ごし、農家の方と知り合い、そこで美味しい作物と出会ったことがきっかけで食材に関心を持ったと話す。
「「うわ、めっちゃ美味しい!」って思うような作物がいっぱいあって(笑)。それを私はマルシェで販売したりとか…。そういった活動を学生の時にやっていました。ですが、その活動だけでは「プラスできる価値」の限界を感じて、料理のスキルを身につけたいと思うようになりました。」
美味しい作物へのプラスアルファ。レシピと一緒に発信したりケータリングでの調理など、「より美味しい」を伝える部分に焦点を当てたいと感じたそう。
そんな彼女は「食の良さ、料理の良さ」をどう説明してくれるのか気になった。
「ん〜食べたらなくなるところがいいなと(笑)。私自身もですけど、 皆さんもキッチンで普段料理されると思うんです。その中でたまに失敗することもありますよね?でも失敗しても食べたら忘れられるじゃないですか。」
どういう意味か疑問に思ったが、そういえばそうだな、と納得してしまった。笑顔で答えていただく中で
「本当に食という分野が好きなんだな」
と感じられ、聞き手も思わずワクワクするような表現に出会えた。
「いつまでも引きずらなくていいというか。でも、また明日挑戦できるっていうところが、サイクルが早いのがいいなと思いますし、たくさんトライできて楽しいなって。」
レシピや商品が人々の「元気」につながるように
具体的にレシピ開発、商品開発の難しいところを伺った。
「まず、レシピ開発から話すと…おいしさを追求する部分と、 みんなが気軽に試せるっていうところを実現する部分のバランスは試行錯誤はしています。」
提案側の考えるポイントと家庭で取り組めるかという現実的なバランスが難しいそうだ。
「実際商品開発も同様です。企画に対して私の方で普通のキッチンで試作をし、試食してもらって、「あ、これ美味しいね」となれば工場に依頼するっていう流れになります。ですが、工場側で実現可能か…というギャップがあります。」
提案に対して、現実的に商品にできるかできないかというギャップを埋める作業が難しいと感じるそう。
そんな苦労の一方で
「それが面白いところでもある」
と答えていただいた。
そして、料理を作ると言うのは
「自分の元気、力を取り戻せる場所」
とも続ける。
「会社で嫌なことあったとか、落ち込むことがあったとしても、自分で作るもので自分を励ませるみたいな…。小さい頃は母の作る料理で、そして社会人になってからは自分で作りながら、嫌なことや気分の落ち込むことがあってもそうやって自分を励ましてきたなと思います。」
これはまるやまさんがレシピを考える上でも生きている。レシピを作るときは「こんなシーンで」「こんな気持ちになったらいいな」とテーマを持たせるという。
「仕事から帰ってきて疲れているけど、好きな曲を1曲聴き終わる間に、作れるレシピ作ろうとか。そういうのが好きで(笑)。そういう存在になれるような、レシピ、商品をしていきたいなと思っています。」
「食べる」から「買う」までをつなげていく
今の活動を紹介する上でまるやまさん自身の背景を知るのは欠かせない。
いいものを作る生産者さんを伝えたり、知ってほしいとか、食べてほしい…という活動の背景には「買う人」を増やしたいという思いがあると話す。
「醤油屋さんに行ったときに…
『手間をかけた商品よりも、簡易的な製法で、価格を抑えた商品の方が売れるんだよね』
という言葉を聞いたことがあります。そこはとてもカッコいい場所で、そしてすごく美味しい醤油を作るんです。ですが、「買う人」がいなければそのお店も無くなってしまう…。」
まるやまさんは続ける。
「自分の子供や孫の世代に、
『昔はこんないい醤油屋さんがあったんだけどね』
って話すことを想像したら悲しいなと思って。」
食べて喜びを感じてほしい、良いものを知って欲しいという考えの上での活動だと言う。
そんな想いを持ち、活動を続ける彼女はこれからどんな未来を描いているのだろうか。
「去年まで日本酒、焼酎などと合わせる料理の提案、いわゆるペアリングですね。これらに多くの時間を注いでいました。ですが、女性であればお酒を飲めない時期が来るかもしれないと言う可能性を考え、ノンアルコールペアリングをやってみたいなと考えています。」
飲みたくても飲めない時期、もちろん体質的に全く飲めない人。そんな人でもペアリングできると言うのは色の楽しみ方も少し増える。
「お酒を飲めない、飲まない人がリラックスできるノンアルコールってまだまだ少ないなと思ってるので、本当にいいものを見つけるとか。それに合わせる料理の提案をするとか…。仕事柄ペアリングは身近な言葉ですが、より多くの人にフィットする内容で取り組めたらと思っています。」
皆さんもきっとワクワクするような「レシピ」に出会えるはず。
ぜひ食のプランナー・まるやまちさとさんのレシピを知って欲しい。
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INFORMATION
まるやまちさと Instagram
まるやまちさと / 食のプランナー ◾︎ レシピ作成 / スタイリング / 撮影 / ケータリング / 商品開発 / 飲食店メニュー開発 ◾︎ 日本酒、焼酎のペアリングレシピ ◾︎ CHEF-1 グランプリ挑戦中 ◾︎4/1.2 稲とアガベ イベントレポート editor.note.com/notes/nfcc309cb3b5f/edit
HP: https://www.instagram.com/maru.ch_/