
私らしい美しさの見つけ方〜言葉と旅をする〜 陽|haru

「素敵」という言葉の輪郭が見えた本
年齢を重ねるごとに、見た目にとらわれない美しさとは何だろうと考えるようになりました。「若いほうがいい」と思わせる言葉が溢れる世の中で、歳を重ねることにどこかネガティブなイメージがつきまとう。
そんな価値観はいつの間にか自分の中にも染み込み、シワやシミ、肌のハリの変化に目が留まるたび不安がよぎることがあります。

まるで「歳をとる」ことが否定されているかのように。けれど、本当に価値があるのは若さそのものなのだろうか。うまく言葉にできず、ただ「素敵な人になりたい」と思ってきました。
その「素敵」という言葉の輪郭が見えたのがこの本です。

「自分のことをいつまでも認めない女性に他人は色気を感じないもの。自分のことを好きになっていくこと。それはとても色っぽいことだと思う。 年齢をただ重ねれば良いというわけではない。日々、出会う人や起こる出来事から、いろんなことを学びたいという姿勢で過ごし、いつまでも自分らしい美しさを纏いたいと努力をし、人に優しく、ありのまま生きていく。」
(松田未来,私が私らしく生きる美学,p112)
この言葉は、「年齢を重ねる楽しさを知る」というタイトルのもとに綴られています。
自分らしい生き方を考える
自分の快不快やときめく瞬間や”好き”という感覚を信じること、そんな小さな積み重ねで心地よさを作り上げている感覚が私にもあります。そして、その過程で流行や世間の価値観に心が揺れることがないと言えば嘘になる。
だけど、美しさの基準を生まれ持った外見や他人が決めた基準に委ねるのではなく、自分の内面に見つけること。それが自分らしく生きるということなのかもしれないと気づきました。

著者の松田未来さんはヘアメイクアップアーティストとして活躍されていますが、この本ではメイクやヘアの技術はピックアップされていません。美容を通して外見に少し自信がつくことで、自分を好きになれたり自分の選択に自信を持てたりと内面が変化した経験から自分らしく生きるお手伝いがしたいと綴っています。
美容、人間関係、ファッション、暮らし——
著者が日々のなかで見つけた「自分らしく生きる」ためのエッセンスが、この本には詰まっています。
他人の評価が可視化される時代だからこそ、自分にとって本当に大切なものは何か。こんなふうに、しなやかに年齢を重ねていきたい。
そう思わせてくれる一冊です。
ー END ー