五感に触れる、わたしの旅

ロスフラワーについて私が思うこと|caco.

皆さん『ロスフラワー(フラワーロス)』って聞いたことありますか?

近年、耳にするようになった方は、多いのではないでしょうか?

ロスフラワーとは、生産者さんから出荷されたお花が消費者の手に届くまでの間に、さまざまな理由で廃棄されてしまう花のことを言います。または生産者さんの基準で、集荷できないお花のことです。

    Writer:caco.

1997年生まれ、千葉県八街市出身。学生時代から3ヶ所のお花屋さんで働きながら、多くのフラワーアーティストの元でも修行を積み、2022年7月に独立。お花を使ったディスプレイや会場装飾をメインで行い、祝日は『会いにいくフローリスト』 としてPOPUP販売も行なっている。

お花屋さんにできることを考えてみた

品質やサイズなどの状態が悪かったり、店頭で売れ残ってしまったもの、イベント等の装飾で使用され、その先の需要が決まっていないものなど、捨てられてしまう理由はさまざまあります。

実際に、花き業界では仕入れ量の30−40%の花が廃棄されているといいます。

その経済損失は年間で約1500億円。

フラワーロスが経済へ大きな影響を与える理由として問題にもなっているのです。

まだ楽しめる状態にもかかわらず、廃棄されてしまうこと、それはとても悲しいことで、私たち花を扱う身としては少しでも避けたいこと…。とはいえ、考えて少しずつ行動を起こさないといけない問題でもあります。

参考フラワーライフ振興会・フラワーロスってなんだろう?解決のために私たちができること

一体私たち花屋には何ができるのでしょうか?

何ができるか、私なりに考えていることを箇条書きにしてみます。

  1. 綺麗に咲くように、長持ちするように、知識をきちんとつける。
  2. 売上をきちんと考え、売り残りがないように仕入れをする。
  3. もし売れ残ってしまったら、また違う形で誰かの手元に届かないか考える。
  4. とにかくたくさん仕入れて、たくさん売ること。

ざっくりこんな内容。「あ、こういう取り組みをしているんだ!」と、まずは気軽に知っていただけると嬉しいですね。

1.綺麗に咲くように、長持ちするように、知識をきちんとつける。

お花を綺麗に咲かせるためには、当たり前ですがたくさんの知識が必要になります。農家さんは毎年、新しい薬や新しい環境を試しよりよいものものをお客様に届けようと、試行錯誤しようと思っております。

年々気象状況が難しくなっていますが、その中でも戦いぬくための工夫が必要になってきます。

1番は愛情ですが!(笑)

2.売上をきちんと考え、売り残りがないように仕入れをする。

お花は生物なので、常に状態は変化します。仕入れから1週間後は販売できないものばかりです。そのためには、仕入れから2・3日のお客様の動きをきちんと考え購入しなくてはいけません。

お花屋さんが当然考えるべきことですが、より深く考えることが重要です。

3.もし売れ残ってしまったら、また違う形で誰かの手元に届かないか考える。

花びらが1枚かけていても、咲ききってしまったお花も全てかわいいですよね…!

でも普通の価格はつけられないもの。

金額を下げての
・セット売り
・ドライフラワーにし、再利用
・押し花にして再利用

などなど!お花の楽しむ方法はたくさんあります!

そして私は、

【CNOT FLOWER ART.】

という取り組みをしています。

ロスフラワーを楽しむ取り組みです。また、『ロスフラワー』という言葉自体を世の中に広めるためにも…という考えです。

ドライフラワーや押し花にしたものを、少し高価なボックス、枠にはめこんだアイテムを販売し、より高価に感じてもらえるアイテムになっています。

今後は大きな作品として制作し、展示会を行なってみたいなと思っております。

4.お花が足りなくなるくらいがちょうどいい

極論ですが…

お花の需要をとにかく増やすこと。笑

お花がもっと、たくさんの人に知られ・求められることが1番の改善だと思います。

ちなみに切り花の一世帯あたりの年間購入金額は、1997年をピークに減少傾向にあります(二人以上の世帯)。1990年代は年間購入金額1万円オーバーでしたが、昨今は7千円台…。

少子高齢化、人口減少なども大きな要因ですが、需要や購入機会を売り手が作っていくことが取り組みとしては大切だと考えています。

だからこそお花が足りなくなるくらい…がちょうどいいのかなって。

参考:ISFJ・【農林水産①】フラワーロス削減に向けてー小売店へのアンケート調査に基づいた実証分析ー.pdf

まとめ:ロスフラワーについて私が考えること

やっぱりたくさんの人の手にお花がロスなく渡り、笑顔になることが大切なこと。だからこそ私たちができるのはロスフラワーの対策を考え続けるのではなく、『イナフフラワー』=(enough flower ?)の対策ができるようになったらなと願い、お花の仕事を続けることだと思います。

こう考えていると、花業界のアップデートはとってもワクワクしますね。笑

これからもお花業界を誰よりも楽しんでいきたいと思います!

【CNOT FLOWER ART.】について、その他ご質問などあればお気軽にインスタグラムからお問い合わせください!

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