
『君のいた時間』とわたし|はしもとももこ
エッセイ
photo: 大塚磨歩 / text: はしもとももこ

失ってから気がつくのが人間という生き物だと思う。
体調を崩した時には毎日元気に身体が動くことのありがたさを感じるし、大切な存在を失ってから「もっと大事に時間を過ごしていたら良かった」と後悔したり…。いつも後から気づく。これを何度も色々なパターンで経験しているはずなのに慣れとは怖いもので、「今」という世界にいるとどうしても薄れてしまう。
いつまでも続くと思っていた愛犬”はな”との時間は、私が想像していたよりもずっと早く進み、いつの間にか居なくなってしまった。
どんな時も寄り添ってくれる”はな”が私の中で当たり前になり、失ってから気がつくことも多く、沢山泣いた。
そんな時に『君のいた時間』(著者:伊集院静)という本に出逢った。

愛犬”ノボ”との日々が綴られている。
私は”はな”と暮らした大切な時間を思い出す。温かい気持ちと切なさでいっぱいになった。
興味のあるなしに関わらず、「今」を精一杯生きる全ての人に手に取っと欲しい一冊。
ー END ー