ナマケモノ人間のふるさと愛|はしもとももこ
エッセイ
photo: はしもとももこ / text: はしもとももこ
突然だが今回は私の故郷、宮城県の好きなところ自慢をさせて欲しい。
一つ目は、流れる時間と空気の香りが澄んでいること。帰省して東京駅から仙台駅に到着すると、時間軸と空気の香りが変わったことに気がつき心が穏やかになる。
二つ目は、夕方から夜に差し掛かる頃に姿を見せてくれる一瞬の空。紫・ピンク・オレンジ・薄水色などの色が淡く混ざり合う瞬間を見ると生きている心地がして幸せになる。
ナマケモノ人間にとってはこの2つがお気に入り。
ちなみに、秋のおすすめスポットは松島町にある『円通院』と『宮城県松島離宮』の紅葉。
昼はありのままの姿で癒してくれて、それと同時に自然には敵わないと思い知らされるほどのパワーを見せてくれる。夜はライトアップされて幻想的な世界に変わり、昼夜の生命力の変化にも圧倒される。
私は生命力のあるものにすごく興味があり、惹かれることが多い。
それと同時に生命力の中に潜む恐怖に脅かされることもある。
矛盾を見せてくる自然にいつも神秘を感じる。
最後にお話しした自然のことについて書きたいことがまだまだあるので、次回のエッセイも企みが止まらない。
ーナマケモノ人間のふるさと愛 ENDー