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お風呂で疲労回復できる?疲れが取れる理由と自律神経を整えるおすすめの入浴法

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仕事や家事、育児に追われる毎日で「疲れがとれない」と感じることはありませんか?お風呂に浸かるのは疲労回復に効果的だと聞き、実践されている方も多いでしょう。

しかし、お湯の温度や入浴時間を意識せずに適当に浸かっていると、疲労回復の効果は半減してしまっているかもしれません。疲労回復効果を高めるには、正しい入浴法で血液の巡りを良くして、自律神経を整えることが重要です。

この記事では、お風呂に浸かると疲れが取れる理由から効果的で正しい入浴方法、疲労回復効果をアップさせるお風呂アイテムまで紹介します。毎日の疲れを癒す入浴方法をチェックしていきましょう。

お風呂は疲労回復に効果的!3つの作用が自律神経を整える

お風呂が疲労回復につながるのは、お湯に浸かることで得られる効果的な作用があるのが理由です。入浴で得られる温熱・水圧・浮力という3つの作用が、疲れた体と自律神経に働きかけます。それぞれの作用が、どのように疲労回復につながるのかを見ていきましょう。

①温熱作用で血行促進

体を温めることで皮膚の毛細血管が広がると、血液の巡りが良くなり、体内に溜まった疲労物質や老廃物が排出されます。また、全身の新陳代謝が活発になり、健康面や美容面においてプラスの効果が働くのも嬉しいポイントです。

お湯に浸かる際は、高過ぎる温度は避け、40度前後に設定しておくのがよいでしょう。冷えた体を芯から温め、血液の流れをよくするためにも、温かいお風呂に浸かる習慣が大切です。

②水圧作用でむくみ改善

水圧は、手足に溜まった血液やリンパ液を心臓へ押し戻し、むくみ解消の手助けをする効果があります。この仕組みを利用できるのが、「全身浴」です。全身浴をすると、体には500kg以上の水圧がかかるため、むくみ改善の効果に期待ができます。

特に、立ち仕事やデスクワークをしている方は、脚がパンパンにむくんでしまうことも少なくありません。これは、脚が心臓から遠く重力で水分がたまり、むくみやすい部分であるのが理由です。

そこで全身浴をすると、水圧によって血液の流れが良くなり、むくみ解消につながります。「疲れたからシャワーですまそう。」ではなく、「疲れているからこそお風呂に浸かろう」という意識を持つようにするとよいでしょう。

③浮力作用で体の負担を軽減

お湯の中では浮力作用が働き、体重は10分の1程度にまで軽くなります。例えると、体重50kgの人は水中だと5kg程度です。

浮力がかかると、体を支えている筋肉や関節への負荷が軽くなります。負荷が減ることで、脳や体はリラックスし、自律神経が整ってストレス軽減にもつながるでしょう。

参考:​​文部科学省「第2章 心のケア 各論 7.リラックス反応」

お風呂で疲労回復するにはお湯の”温度”と”入浴時間”が重要

お風呂で疲労回復効果を実感するには、医学的に推奨される温度と時間を目安にすることが大切です。熱すぎるお湯や長すぎる入浴は、かえって体を疲れさせる原因になります。設定温度や普段の入浴時間を確認し、回復効果の高い方法を実践していきましょう。

38〜40度のお湯での全身浴が効果的

疲労回復には「38〜40度のお湯」で「肩まで浸かる全身浴」が最適です。38〜40度のお湯は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果に期待ができます。

「熱いお湯に浸かるのが好き」という方も多いですが、実は42度を超えると交感神経が刺激され、体が興奮状態になって疲れてしまうのです。疲労回復のためには、熱すぎず冷たすぎない温度を心がけましょう。

また、全身に水圧や浮力が作用するため、疲労回復には半身浴よりも全身浴の方がおすすめです。

参考:厚生労働省「生活習慣病などの情報」

入浴時間は10〜15分が目安

入浴時間は「10分〜15分」が目安です。10〜15分の入浴で体温が適度に上がり、副交感神経が優位になるため、リラックス効果に期待ができます。

ただし、季節やその日の体調によって、「早めに上がる」「もう少し長く浸かる」などの調整は必要です。長すぎる入浴は脱水やのぼせにつながり、体が疲れてしまいます。気持ちいいから、と長湯し過ぎず、額に汗がにじむ程度で上がりましょう。

【お風呂アイテム】疲労回復に特化した入浴剤と入浴中のケア方法

お風呂に浸かるだけでも、疲労回復効果は期待できます。さらに疲労回復効果をアップさせるには「入浴剤」や「ながらマッサージ」を取り入れるのがおすすめです。

効果的なアイテムを選び、入浴中の時間を活用することで、短時間でも疲労回復につながります。ここでは、疲労回復におすすめな入浴剤の選び方と、手軽に行えるケア方法をご紹介します。

入浴剤は炭酸ガス系・無機塩類系を選ぶ

効果的に疲労回復するには、「炭酸ガス系」または硫酸ナトリウムなどが含まれる「無機塩類系」の入浴剤を選びましょう。

・炭酸ガス系:皮膚から吸収され、血管を拡張させる働きがある。通常のお湯と比較すると、炭酸ガス系の入浴剤を取り入れた方が血行促進効果が高まる。
・無機塩類系:浴後の保温効果が高く湯冷めしにくい。

入浴剤を選ぶ際は、効果が検証されている医薬部外品のものがよいでしょう。

参考:日本浴用剤工業会「入浴剤の効果とメカニズム」

入浴中はながらマッサージでむくみ解消

脚のむくみを解消するためには、入浴中にできる簡単なマッサージがおすすめです。筋肉がほぐれて水圧がかかった状態でマッサージを行うと、老廃物や余分な水分が排出され、血行が促進されます。

<マッサージの手順>
①足首を回す:足首をゆっくり大きく回して関節をほぐす
②ふくらはぎをなでる:足首から膝裏方向にリンパを流す
③太ももをもむ:太ももの裏側や側面を軽くもみほぐす

強い力でマッサージをする必要はありません。自分の体を優しくなでて、労わることから初めてみましょう。

参考:横浜血管クリニック「足のむくみ むくみ対策」

FAQ|お風呂で効率よく疲労回復するためのポイント

Q:疲れているときは、熱いお湯にさっと浸かるだけでも効果はある?

A:疲労回復目的であれば、42度以上の熱いお湯は避けた方がいいでしょう。熱すぎると、交感神経を刺激して体が興奮状態になり、かえって体力を消耗させてしまいます。疲れをとりたいときは、38〜40度のぬるま湯のお湯に10〜15分、ゆっくりと浸かって副交感神経を優位にするのが効果的です。

Q:半身浴と全身浴は、どちらがより疲れが取れる?

A:効率よく疲れをとるなら「全身浴」がおすすめです。全身浴は、半身浴に比べて水圧と浮力が全身に大きく作用するため、血行促進や筋肉の緊張緩和、むくみの解消などの効果が高まります。ただし、心臓への負担が気になる方やのぼせやすい方は、無理をせず、体調に合わせて選ぶようにしましょう。

Q:お風呂あがりにすぐ寝ても大丈夫?

A:寝る90分ほど前に入浴を済ませるのが理想的です。お風呂あがりにすぐ寝ると、体温が高すぎて寝つけなかったり、眠りが浅くなったりすることがあります。入浴で上がった体温が下がっていく過程で自然な眠気が訪れるため、少し時間をおくのがおすすめです。

Q:シャワーだけで済ませてしまうことが…。疲労回復はできていないの?

A:シャワーだけだと皮膚の表面しか温まらず、疲労回復効果は限定的です。お風呂に浸かることで体の芯から温まり、自律神経も整いやすくなります。疲れが溜まっているときほど、湯船に浸かる習慣が大切といえるでしょう。

まとめ|お風呂習慣を整えて効果的な疲労回復につなげよう

正しい方法でお風呂に浸かるだけで、疲労回復やストレス解消、むくみ解消につながります。入浴時のポイントは、「38〜40度のお湯で10〜15分の全身浴」をすることです。

熱いお湯や長風呂は体が疲れてしまうため、適温に設定し、タイマーを使うなどの工夫をしてみましょう。さらに疲労回復効果をアップさせたいときは、以下の2点を取り入れるのがおすすめです。

・炭酸ガス系・無機塩類系の入浴剤を入れる
・むくみ解消のマッサージをする

仕事や家事で忙しい毎日ですが、疲れている日こそお風呂で体をリラックスさせ、疲れを癒していきましょう。

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